ネットワークエンジニアのSES会社の選び方【11のポイントを解説】

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ネットワークエンジニアのSES会社の選び方【11のポイントを解説】

ネットワークエンジニアが、SES会社を選ぶ際のポイントについて説明します。※ネットワークエンジニアだけではなく、他のITエンジニアにとっても参考になるポイントです。

SES(システムエンジニアリングサービス)については、下記のページも参照してください。

目次

SES会社選びの前提について

入社は企業とエンジニアの双方が納得することが大切

会社側とエンジニアの双方が納得

「SES会社の選び方」というタイトルとしていますが、会社への入社は、会社側とエンジニアの双方が納得することが一番大切です。エンジニアが一方的に会社を選ぶものではありません。しかし、SES会社は日本に10,000社以上あると言われているため、エンジニア視点で比較検討する際のポイントという観点で本ページは記載しています。

経験者・未経験者による違い

経験者・未経験者

経験者の場合は、すぐに顧客企業へ就業することになるため、これまでの経験・スキルが活かせるかが重要となります。SES会社によっては、経験者しか採用していない会社もあります。このような会社は即戦力を求めており、入社後の技術研修等は無いため、注意が必要です。※会社の制度として、研修費用が補助される会社はあります。

未経験者の場合は、入社後に1〜3ヶ月の技術研修があることが多いです。この中で、必要最低限の知識と資格を習得することになりますので、研修が充実していることも重要なポイントとなります。

スキルアップ・キャリアアップを目指す

スキルアップ・キャリアアップ

技術の移り変わりが早いIT業界では、エンジニアは常にスキルアップが求められます。周囲のエンジニアと切磋琢磨していける環境は重要ですが、どのような会社に入ったとしても、スキルアップできるかどうかは自分次第です。

また、キャリアアップ志向もエンジニアとして重要な要素です。ネットワークエンジニアは、「運用・保守→構築→設計→プロジェクトマネージャ」と、ある程度キャリアアッププランが立てやすい職種ですが、自分がどの工程やどのような立ち位置で仕事をしたいのかを明確にするようにしましょう。

SES会社選びのポイント

SES会社選びの11ポイント

給与体系が明確か?

SES会社の給与体系には大きく分けて2通りあります。

SES会社の給与体系
  1. 会社の評価基準に沿ってエンジニアの給与を決定する
  2. 顧客企業(派遣先)との契約金額の○%がエンジニアの給与となる ※還元率制度

1. 会社の評価基準に沿ってエンジニアの給与を決定する

評価基準・評価方法の例としては下記のイメージです。※評価制度の一つの例です。

STEP
ランク設定

あらかじめ、数段階のランクが設定されます。ランク毎に給与の幅と要件が決まっています。

ランク設定
STEP
エンジニアのランク分け

エンジニアは、経験・スキル・役割(リーダー/マネージャ等)を元に、いずれかのランクに振り分けられます。

エンジニアのランク分け
STEP
定期面談・評価

年1〜2回、定期的に上位者との面談を行い、給与額やランク昇格が決定されます。年間or半期毎に目標設定と振り返りが必要な場合や、ランク昇格には論文やプレゼンが必要な場合もあります。

最終的には、人が評価を決定するため、基準が曖昧になりがちです。このような給与体系の会社に入社する場合は、ランク毎の要件や評価基準がはっきりとしていることが重要です。

2. 顧客企業(派遣先)との契約金額の○%がエンジニアの給与となる ※還元率制度

顧客企業との契約金額により、エンジニアの給与が決定されます。

STEP
顧客企業との契約金額決定

顧客企業とSES企業の間で契約金額が決定されます。

顧客企業との契約金額決定
STEP
還元率に従いエンジニアに給与支払い

SES会社が定めた還元率に従い、顧客企業からの支払額の○割がエンジニアに給与として支払われる。

還元率に従いエンジニアに給与支払い

還元率は、60%~70%が平均的です。75%以上の場合は「高還元率」と言うことができますが、下記の注意点を参照し、計算方法等を確認するようにしましょう。

還元率制度の注意点

1の給与体系よりも、還元率制度を導入しているSES会社の方が、エンジニアの給与は高い傾向があります。しかし、還元率制度には、いくつか注意点があります。

注意点1. 契約金額が、そのまま基準額になるわけでは無い

上記のように単純に「契約金額」と「還元率」だけで給与が決まらないSES会社もあります。契約金額から、社会保険料や交通費等が差し引かれたものが基準額となる会社もあるため、給与の計算方法は必ず確認しましょう。

例:交通費が引かれる場合
( 契約金額 − 交通費 ) × 還元率
(80万円 − 2万円 ) × 70% = 54万6千円

注意点2. 顧客企業の予算にも左右される

顧客企業との契約金額は、ネットワークエンジニアの経験・スキルだけではなく、顧客企業の予算に左右される面も大きいです。また、顧客企業が変わった場合に、今までと同額で契約できる保証はないため、年収が安定しないことがあります。※契約金額が10%落ちると、年収も10%落ちるイメージです。

評価制度が明確か?

給与体系のところでも記載しましたが、評価制度は給与に直接影響を与えるため、SES会社とエンジニアの双方が納得できることが大切です。客先常駐で働くことが多いエンジニアの評価は、同じ現場で働いていない上位者が評価することも多く、とても難しいです。面談のために、半年に一度しか会わない上位者に評価されるということもあります。

下記のような評価制度(評価基準)が一般的ですが、エンジニア自身が納得できるようにしましょう。

  • 半年/年間の目標を設定し、達成度で評価する
  • 常駐先の管理者に評価を依頼する
  • 資格取得状況を加味する
  • 勤怠状況を加味する ※遅刻や無断欠勤が無いか

還元率制度が導入されている場合も、給与に影響を与える制度が他に無いかは確認するようにしましょう。

スキル・職種にあった営業力があるか?

ネットワークエンジニアは、システムエンジニアの中でも割合が少ないため、ネットワークの案件が豊富にあるかを確認しましょう。通信キャリアやネットワークベンダー等、ネットワークに強い企業へネットワークエンジニアを派遣しているかは重要な要素となります。

SES会社自体にネットワークエンジニアがどのくらい在籍しているかも確認しましょう。ネットワークエンジニアが一定の割合で在籍していれば、ネットワーク案件の営業力もあることがわかります。

また、ネットワーク案件の詳細も必ず確認するようにしましょう。運用・保守の案件ばかりであれば、ネットワークエンジニアとして、スキルアップ・キャリアアップすることが難しくなります。設計・構築工程に携われる案件が豊富にあることが望ましいです。

エンジニアの割合
エンジニアの割合の例
ネットワーク案件の割合の例
経験工程の割合の例

エンジニアや経験工程の割合については、下記ページも参照してください。

商流が深すぎないか?

「商流」とは、エンドの顧客企業から見て、自身が所属しているSES会社が何社目の請負会社にあたるかを指す言葉です。一次請けであることがベストですが、最低でも二次請けまでの案件が多いこと重要です。三次請け、四次請けとなると、契約金額が著しく下がるため、エンジニアの給料が少なくなります。このような状態を「商流が深すぎる」と言います。

一次請けの場合(還元率70%)

一次請けの場合

二次請けの場合(還元率70%)

二次請けの場合

三次請けの場合(還元率70%)

三次請けの場合

案件を自身で選択できるか?

案件を選択できるか

SES会社によっては、会社からの指示で派遣先の企業が決まることがあります。これは、会社の戦略や顧客企業との関係性を重視するためです。また、会社としては、社員一人一人の意見を聞くよりも、機械的に振り分けた方が営業コストがかからないというメリットもあります。

しかし、ネットワークエンジニアとしてスキルアップ・キャリアアップしていくためには、自身の希望する工程が実施できる案件に入る必要があります。現在の経験・スキルに合った就業先を選択することは重要ですが、選択権が無い状況では将来性に不安を抱くことになるでしょう。

案件選択制を導入しているSES会社の場合、エンジニア募集一覧を元に、自身の経験・スキルに合った顧客企業と顔合わせを行います。その結果、業務内容や契約金額に問題が無ければ、配属希望を提出します。顧客企業としても、エンジニアに問題が無いと判断すれば配属となります。

エンジニアが案件を選択できるSES会社は、顧客企業との契約金額も開示していることが多く、透明性が高いです。

社内待機率が低いか?

配属先の企業が決まらないことを『社内待機』と呼びます。社内待機になると、「社内業務の手伝い」や「自主学習」を行うことになります。この期間が長いと、キャリア面・給与面の両方に悪い影響を与えます。

キャリア面では、実際の業務期間に空白期間ができてしまい、今後のステップアップが難しくなる可能性もあります。給与面については、社内規定次第ですが、顧客企業と契約がある場合に比べて、給与が落ちることがほとんどです。

社内待機率については、業界全体の景気が悪い時にどのような状況だったかを確認することが大切です。不況時でも5〜10%程度の社内待機率であれば、SES会社として安定していると言えます。下記のような、従業員数と待機率を公開しているか確認しましょう。

社員数と待機率

社内待機時の給与が保証されるか?

社内待機時の給与保証はSES会社により様々です。還元率制度の場合も、基本給が定められていて、その金額が保証される会社もあります。もしくは、「基本給の○%が最低保証」と定められていたり、「待機時は○万円」と金額が決められている会社もあります。「社内待機」はSESとして想定されるリスクですので、きちんと確認するようにしましょう。

社内待機時の給与例
  • 基本給100%を保証
  • 基本給○%を保証
  • 一律で○万円を保証
  • 社内待機時は給与無し

未経験OKか?経験者採用のみか?

冒頭でも記載しましたが、SES会社によって、未経験者を採用している場合と経験者のみを採用している場合があります。

未経験からネットワークエンジニアを目指す場合は、まずはこの点を確認しましょう。併せて、入社後の研修制度や研修の中で資格取得が可能かも確認しておくと良いです。

未経験者を採用していないSES会社の場合、教育・研修に掛けるコストが削減できるため、エンジニアに還元できる給与を高く設定できます。そのため、ネットワークエンジニア経験者の場合も、この点は確認した方が良いです。

スキルアップのための補助があるか?

エンジニアは常に新しい技術を取り入れながらスキルアップしていく必要があります。そのため、社内でスキルアップのための補助が充実しているも大切な要素です。

補助の例としては以下のようなものがあります。

スキルアップ補助の例
研修費用の補助

集合研修やオンライン研修の参加費用の全額or何割かが支給されます。Udemy等の動画学習サービスも対象の場合があります。

資格取得費用の補助

資格受験費用の全額or何割かが支給されます。資格によっては、一時金(報奨金)が支給されることもあります。

参考書購入費用の補助

参考書購入時の全額or何割かが支給されます。会社が購入し、貸し出ししてくれる場合もあります。

平均残業時間が少ないか?

残業

SESで働くエンジニアの残業時間は、配属先の顧客企業によって大きく異なります。そのため、SES会社全体の平均残業時間は、あくまで参考にしかなりません。しかし、あまりにも残業時間が多い場合は、労務環境改善のために、会社として顧客企業に積極的に働きかけるSES会社もあります。結果的にこのようなSES会社は、労務環境が健全な顧客企業との取引が多くなるため、エンジニアも安心して就業することができます。

基準としては、平均残業時間が30時間を超えるようなSES会社は注意が必要です。もちろん、残業自体が全て悪いわけではなく、プロジェクトの状況によっては、必要な場合もあります。自身が納得して現場に配属された場合は、可能な限り顧客の要望に応えられるように心がけましょう。

会社の理念が明確か?

会社の理念

最後のポイントは、『企業理念』です。一見、SES会社に理念は必要ないように感じるかもしれませんが、世の中の企業に目的が無い企業はありませんし、目的が無い仕事もありません。エンジニアとしてステップアップするためには、「会社や仕事を通して、どのように社会に貢献できるか?」ということを、常に考えることが重要です。

SES会社が掲げている『企業理念』に賛同できるのであれば、会社とエンジニアが双方に利益をもたらし合うことができます。目の前の仕事だけではなく、広い視野で見て社会全体に影響を与えることができれば、やりがいも大きくなるはずです。

SES企業も、ホームページで必ず企業理念を掲げていますので、賛同できる理念となっているか確認しましょう。企業理念・当社の目的・行動指針・ミッション・ビジョン等、書き方は様々ですが、必ず掲載されているはずです。

以上が、SES会社を選ぶ11のポイントです。この他にもポイントはあると思いますが、SES会社選びの参考になれば幸いです。皆様が、より良い会社と巡り合えることを願っています。

転職サイト・転職エージェント情報

転職サイト・転職エージェントは、転職目的や経験・スキルによって、使い分ける必要があります。自身にあった転職サイト・転職エージェントを見つけるようにしましょう。

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