CMLを始めよう!(13.トラフィックジェネレーター TRex)

トラフィックジェネレーター Trex

【前回】12.WANエミュレーター

目次

ネットワーク構成

CMLでは、Ciscoが提供している「TRex」というオープンソースのトラフィックジェネレーターが準備されています。
下記のネットワーク構成で、トラフィックジェネレーターの使い方を説明します。
※”trex-0″というノードがトラフィックジェネレーターです。

ネットワーク構成

iosv-0とiosv-1にはそれぞれ以下を設定しています。

iosv-0
---------------------------
interface Gi0/0
ip address 172.16.1.254 255.255.255.0
no shut

interface Gi0/1
ip address 10.0.0.1 255.255.255.0
no shut

ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 10.0.0.2
---------------------------

iosv-1
---------------------------
interface Gi0/0
ip address 172.16.2.254 255.255.255.0
no shut

interface Gi0/1
ip address 10.0.0.2 255.255.255.0
no shut

ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 10.0.0.1
---------------------------

TRexは、デフォルトで”eth0″と”eth1″の2つのポートを持っています。
“eth0″はマネジメント用のポートのため、”External Connector”と接続し、外部からアクセスできるようにします。
“eth1″は片方のIOSノードと接続します。

trexの接続

TRexと3ノード目を接続すると、自動的に”eth2″が追加されます。

trexのeth2の接続
trexのeth2の接続後

TRexは、DHCPクライアントとして設定されています。DHCPでIPアドレスを取得するため、”External Connector”はBRIDGE方式で接続します。

External ConnectorのBRIDGE方式選択

ノードの起動が完了したら、TRexのコンソールを選択します。

trexのコンソール接続

DHCPで取得されたIPアドレスが表示されます。

trexのDHCPで取得したIPアドレス確認

GUIツールのインストール

TRexへのアクセスには、ブラウザではなく専用のGUIツールを利用します。
以下URLから、環境にあったツールをダウンロードし、インストールしてください。

https://github.com/cisco-system-traffic-generator/trex-stateless-gui/releases
trexのGUIツールダウンロード

ツールを起動すると下記の画面が表示されます。

trexの起動後画面

TRexへの接続

メニューの「File」→「Connect」を選択するか、コンセントブラグのようなアイコンをクリックします。

CML上のtrexへの接続方法1
CML上のtrexへの接続方法2

接続先のIPアドレスを入力し、「Connect」をクリックします。

CML上のtrexへの接続

接続されると下記の画面が表示されます。

CML上のtrexへの接続後

もし、下記のエラーが表示され接続できない場合は、TRexのバージョンを確認してください。

CML上のtrexへの接続エラー画面

CMLの画面から、「TOOLS」→「Node and Image Definitions」→「IMAGE DEFINITIONS」を選択するとインストールされているバージョンが分かります。
2021年7月時点ですが、2.82であれば問題なく利用できます。

trexのバージョン確認2.82

2.88の場合は、まだTRexのGUIツールが対応していないようです。
その場合、VMware起動時に読み込む”refplat_p-YYYYMMDD-fcs.iso”を古いバージョンに変更しましょう。
※”refplat_p-20201110-fcs.iso”を読み込めば、バージョン2.82のTRexがインストールされました。

trexのバージョン確認2.88

TRexのネットワーク設定

少し分かりづらいのですが、”Port 0″が”eth1″ 、”Port1″が”eth2″と対応しています。

trexのポートの説明

“Port 0″を右クリックし、「Acquire」をクリックします。

ポート0の設定変更有効化

右側の「Configuration」が編集可能になります。

ポート0の設定変更有効後

Modeは、”L3″を選択します。
Sourceは、eth1に設定するIPアドレス(172.16.1.1)を入力します。
Destinationは、eth2に設定するIPアドレス(172.16.2.1)を入力します。
入力が完了したら、「Apply」をクリックして、設定を適用します。

ポート0の設定

「ARP status」が、”resolved”になればOKです。

ポート0の設定適用後

同様に”Port 1″も設定します。
Sourceは、eth2に設定するIPアドレス(172.16.2.1)を入力します。
Destinationは、eth1に設定するIPアドレス(172.16.1.1)を入力します。

ポート1の設定変更後

“Port 0″から対向のIPアドレスにPingを実施します。
“Ping host”にIPアドレスを入力し、「Ping」をクリックします。
画面下部でPing応答があることが確認できます。

ポート1からポート2へのPing確認

プロファイルとストリームの作成

実際にトラフィックを発生させるためにプロファイルとストリームを作成していきます。
“Port 0″の「Profile」を選択し、「+New Profile」をクリックします。

プロファイルの作成開始

プロファイル名を入力し、OKをクリックします。

プロファイル名の入力

「+Build Stream」をクリックします。

ストリームの作成

ストリーム名を入力し、OKをクリックします。

ストリーム名の入力

ストリームの編集画面です。

ストリームの編集画面

今回はL2レベルでの通信速度を100Kbps、TCP/UDPを指定しないIP通信を作成します。
Rateで、「bps L2」を選択し、「100.0K」と入力します。

ストリームの速度設定

「Simple mode」をクリックします。

ストリーム編集のモード変更

「Protocol Selection」タブへ移動し、L4で「None」を選択します。

プロトコルタイプの選択

「Protocol Data」タブへ移動します。
Destinationには、eth2に設定したIPアドレス(172.16.2.1)を入力します。
Sourceには、eth1に設定したIPアドレス(172.16.1.1)を入力します。

ストリームの送信先と送信元の設定

「Save」をクリックし、保存します。

ストリームの保存

設定したストリームが作成されています。

ストリームの確認

プロファイルの設定も、”L2 bps”を選択し”100.0K”と入力します。

プロファイルの速度設定

トラフィック生成の開始

トラフィック生成を開始する前に、画面右上の「Dashboard」をクリックします。

Dashboard画面の表示

この画面でトラフィックの状況をモニタリングできます。

Dashboard画面

画面左上の「Start Transit」をクリックし、トラフィック生成を開始します。

トラフィック生成の開始

Dashboardの画面で、約100.0Kbpsの通信が発生していることが確認できます。

トラフィック状況の確認

TCPをしているする場合は、「Protocol Selection」タブのL4で「TCP」を選択します。
「Protocol Data」タブの「Transmission Control Protocol」でポート番号を指定します。

TCP通信のストリーム作成1
TCP通信のストリーム作成2

これで、トラフィックジェネレーターの説明は完了です。

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