【前回】AmazonConnectによる自動電話通知(7.複数連絡先への電話通知〈構築⑧〉)
【次回】AmazonConnectによる自動電話通知(8.周回数の指定)
【簡易版】AmazonConnectによる自動電話通知(まとめ)
監視サーバーで障害を検知した際に、自動で電話通知できるようにしていきます。ネットワークエンジニアも利用することの多い監視サーバー(Zabbix)で障害検知し、AWS上のAmazonConnectを利用し自動電話を発信します。
今回は下記の条件を満たせるようにAWSの各サービスを利用して自動電話通知の仕組みを導入します。
- 複数の通知先を登録した連絡先リストを持たせる。
- 連絡先リストに優先度(通知順)を設定する。
- 優先度が高い人に最初に電話する。
- 応答が無かった場合、次の優先度の人に順番に電話する。
- 連絡先リストの最後まで電話しても応答が無かった場合、最初に戻って継続する。
自動電話通知フロー
電話に応答した場合のフロー
- EC2上の監視サーバーで障害を検知し、S3へトリガーファイルを格納
- S3のイベント通知機能で、SQS_1にメッセージを送信
- SQS_1をトリガーとして、Lambda_1を起動
- Lambda_1がDynamoDB_1から連絡先を取得し、AmazonConnectを起動
- Lambda_1がAmazonConnectを起動すると同時に、SQS_2へメッセージを送信
- AmazonConnectがユーザーへ自動電話通知を実施
- ユーザが正常応答し、AmazonConnectがLambda_2を起動
- Lambda_2が応答結果をDynamoDB_2に保存(応答OK)
- 60秒後にSQS_2をトリガーとしてLambda_3を起動
- Lambda_3がDynamoDB_2の応答結果を確認(正常応答しているため、何もせずに処理完了)
電話に応答しなかった場合のフロー
- EC2上の監視サーバーで障害を検知し、S3へトリガーファイルを格納
- S3のイベント通知機能で、SQS_1にメッセージを送信
- SQS_1をトリガーとして、Lambda_1を起動
- Lambda_1がDynamoDB_1から連絡先を取得し、AmazonConnectを起動
- Lambda_1がAmazonConnectを起動すると同時に、SQS_2へメッセージを送信
- AmazonConnectがユーザーへ自動電話通知を実施
- ユーザが正常応答せず、AmazonConnectがLambda_2を起動
- Lambda_2が応答結果をDynamoDB_2に保存(応答NG ※実際にはステータスを変更しない)
- 60秒後にSQS_2をトリガーとしてLambda_3を起動
- Lambda_3がDynamoDB_2の応答結果を確認
- 正常応答していないため、再度AmazonConnectを起動(以降、5から繰り返し)
テスト
構築①〜⑧でAWSサービスの準備は完了となるため、テストを行います。
EC2から下記のコマンドを実施し、S3へファイルをアップロードします。
touch /tmp/test.txt
aws s3 cp /tmp/test.txt s3://amazonconnect-alert-notification-bucket
[ec2-user@ip-10-0-0-100 ~]$ touch /tmp/test.txt
[ec2-user@ip-10-0-0-100 ~]$
[ec2-user@ip-10-0-0-100 ~]$ aws s3 cp /tmp/test.txt s3://amazonconnect-alert-notification-bucket
upload: ../../tmp/test.txt to s3://amazonconnect-alert-notification-bucket/test.txt
[ec2-user@ip-10-0-0-100 ~]$
以下の観点で確認を行います。
- 初回の電話通知はプライオリティ”1″の通知先に連絡されること
- 正常応答しなかった場合、次のプライオリティの通知先に連絡されること
- 連絡先リストの最後まで連絡しても正常応答しなかった場合、プライオリティ”1″の通知先に戻って連絡されること
1回目、2回目の通知には正常応答せず、3回目に正常応答した場合のCloudWatchのログです。
【Zabbix】スクリプトの修正
メディアタイプから実行するスクリプトを修正します。Zabbixの通知設定については下記を参照してください。
AmazonConnectによる自動電話通知(5.EC2/ZABBIXとの連携)
ZabbixをインストールしたEC2にSSHログインし、下記を実行します。
cd /usr/lib/zabbix/alertscripts/
sudo vi amazonconnect_notification.sh
下記の通り修正します。
#!/bin/sh
echo "`date` Amazon Connect Notification" >> /tmp/zabbix-amazonconnect.log
aws s3 cp /tmp/test.txt s3://amazonconnect-alert-notification-bucket
障害検知の確認
ICMPノード監視の登録方法は下記を参照してください。
AWS上での監視サーバー(Zabbix)構築【6.監視登録(ICMPノード監視)】
Router1のGi0/1をshutdownし、Serverへの疎通が通らないようにします。
int Gi0/1
shut
Zabbix上で、Serverの障害が検知されることを確認します。
アクションにマウスカーソルを当てると、アクションが実行されていることが分かります。
フロー通りに、自動電話通知が行われることを確認します。
以上で、AmazonConnectによる自動電話通知(7.複数連絡先への電話通知〈構築⑨〉)の説明は完了です!
【前回】AmazonConnectによる自動電話通知(7.複数連絡先への電話通知〈構築⑧〉)
【次回】AmazonConnectによる自動電話通知(8.周回数の指定)
【簡易版】AmazonConnectによる自動電話通知(まとめ)