AmazonConnectによる自動電話通知(7.複数連絡先への電話通知〈構築⑨〉)

AmazonConnectによる自動電話通知(7.複数連絡先への電話通知〈構築⑨〉)

【前回】AmazonConnectによる自動電話通知(7.複数連絡先への電話通知〈構築⑧〉)
【次回】AmazonConnectによる自動電話通知(8.周回数の指定)
【簡易版】AmazonConnectによる自動電話通知(まとめ)

監視サーバーで障害を検知した際に、自動で電話通知できるようにしていきます。ネットワークエンジニアも利用することの多い監視サーバー(Zabbix)で障害検知し、AWS上のAmazonConnectを利用し自動電話を発信します。

今回は下記の条件を満たせるようにAWSの各サービスを利用して自動電話通知の仕組みを導入します。

前提条件
  • 複数の通知先を登録した連絡先リストを持たせる。
  • 連絡先リストに優先度(通知順)を設定する。
  • 優先度が高い人に最初に電話する。
  • 応答が無かった場合、次の優先度の人に順番に電話する。
  • 連絡先リストの最後まで電話しても応答が無かった場合、最初に戻って継続する。
目次

自動電話通知フロー

電話に応答した場合のフロー

電話に応答した場合のフロー
  1. EC2上の監視サーバーで障害を検知し、S3へトリガーファイルを格納
  2. S3のイベント通知機能で、SQS_1にメッセージを送信
  3. SQS_1をトリガーとして、Lambda_1を起動
  4. Lambda_1がDynamoDB_1から連絡先を取得し、AmazonConnectを起動
  5. Lambda_1がAmazonConnectを起動すると同時に、SQS_2へメッセージを送信
  6. AmazonConnectがユーザーへ自動電話通知を実施
  7. ユーザが正常応答し、AmazonConnectがLambda_2を起動
  8. Lambda_2が応答結果をDynamoDB_2に保存(応答OK)
  9. 60秒後にSQS_2をトリガーとしてLambda_3を起動
  10. Lambda_3がDynamoDB_2の応答結果を確認(正常応答しているため、何もせずに処理完了)

電話に応答しなかった場合のフロー

電話に応答しなかった場合のフロー
  1. EC2上の監視サーバーで障害を検知し、S3へトリガーファイルを格納
  2. S3のイベント通知機能で、SQS_1にメッセージを送信
  3. SQS_1をトリガーとして、Lambda_1を起動
  4. Lambda_1がDynamoDB_1から連絡先を取得し、AmazonConnectを起動
  5. Lambda_1がAmazonConnectを起動すると同時に、SQS_2へメッセージを送信
  6. AmazonConnectがユーザーへ自動電話通知を実施
  7. ユーザが正常応答せず、AmazonConnectがLambda_2を起動
  8. Lambda_2が応答結果をDynamoDB_2に保存(応答NG ※実際にはステータスを変更しない)
  9. 60秒後にSQS_2をトリガーとしてLambda_3を起動
  10. Lambda_3がDynamoDB_2の応答結果を確認
  11. 正常応答していないため、再度AmazonConnectを起動(以降、5から繰り返し)

テスト

構築①〜⑧でAWSサービスの準備は完了となるため、テストを行います。

EC2から下記のコマンドを実施し、S3へファイルをアップロードします。

touch /tmp/test.txt
aws s3 cp /tmp/test.txt s3://amazonconnect-alert-notification-bucket
[ec2-user@ip-10-0-0-100 ~]$ touch /tmp/test.txt
[ec2-user@ip-10-0-0-100 ~]$ 
[ec2-user@ip-10-0-0-100 ~]$ aws s3 cp /tmp/test.txt s3://amazonconnect-alert-notification-bucket
upload: ../../tmp/test.txt to s3://amazonconnect-alert-notification-bucket/test.txt
[ec2-user@ip-10-0-0-100 ~]$ 

以下の観点で確認を行います。

  • 初回の電話通知はプライオリティ”1″の通知先に連絡されること
  • 正常応答しなかった場合、次のプライオリティの通知先に連絡されること
  • 連絡先リストの最後まで連絡しても正常応答しなかった場合、プライオリティ”1″の通知先に戻って連絡されること

1回目、2回目の通知には正常応答せず、3回目に正常応答した場合のCloudWatchのログです。

CloudWatchのログ

【Zabbix】スクリプトの修正

メディアタイプから実行するスクリプトを修正します。Zabbixの通知設定については下記を参照してください。

AmazonConnectによる自動電話通知(5.EC2/ZABBIXとの連携)

ZabbixをインストールしたEC2にSSHログインし、下記を実行します。

cd /usr/lib/zabbix/alertscripts/
sudo vi amazonconnect_notification.sh

下記の通り修正します。

#!/bin/sh

echo "`date` Amazon Connect Notification" >> /tmp/zabbix-amazonconnect.log

aws s3 cp /tmp/test.txt s3://amazonconnect-alert-notification-bucket

障害検知の確認

ICMPノード監視の登録方法は下記を参照してください。
AWS上での監視サーバー(Zabbix)構築【6.監視登録(ICMPノード監視)】

ネットワーク構成

Router1のGi0/1をshutdownし、Serverへの疎通が通らないようにします。

Router1
int Gi0/1
shut

Zabbix上で、Serverの障害が検知されることを確認します。

障害検知

アクションにマウスカーソルを当てると、アクションが実行されていることが分かります。

アクション実行確認

フロー通りに、自動電話通知が行われることを確認します。

以上で、AmazonConnectによる自動電話通知(7.複数連絡先への電話通知〈構築⑨〉)の説明は完了です!

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