【前回】AmazonConnectによる自動電話通知(6.ユーザー入力による応答確認)
【次回】AmazonConnectによる自動電話通知(7.複数連絡先への電話通知〈構築①〉)
【簡易版】AmazonConnectによる自動電話通知(まとめ)
監視サーバーで障害を検知した際に、自動で電話通知できるようにしていきます。ネットワークエンジニアも利用することの多い監視サーバー(Zabbix)で障害検知し、AWS上のAmazonConnectを利用し自動電話を発信します。
今回は下記の条件を満たせるようにAWSの各サービスを利用して自動電話通知の仕組みを導入します。
- 複数の通知先を登録した連絡先リストを持たせる。
- 連絡先リストに優先度(通知順)を設定する。
- 優先度が高い人に最初に電話する。
- 応答が無かった場合、次の優先度の人に順番に電話する。
- 連絡先リストの最後まで電話しても応答が無かった場合、最初に戻って継続する。
自動電話通知フロー
電話に応答した場合のフロー
- EC2上の監視サーバーで障害を検知し、S3へトリガーファイルを格納
- S3のイベント通知機能で、SQS_1にメッセージを送信
- SQS_1をトリガーとして、Lambda_1を起動
- Lambda_1がDynamoDB_1から連絡先を取得し、AmazonConnectを起動
- Lambda_1がAmazonConnectを起動すると同時に、SQS_2へメッセージを送信
- AmazonConnectがユーザーへ自動電話通知を実施
- ユーザが正常応答し、AmazonConnectがLambda_2を起動
- Lambda_2が応答結果をDynamoDB_2に保存(応答OK)
- 60秒後にSQS_2をトリガーとしてLambda_3を起動
- Lambda_3がDynamoDB_2の応答結果を確認(正常応答しているため、何もせずに処理完了)
電話に応答しなかった場合のフロー
- EC2上の監視サーバーで障害を検知し、S3へトリガーファイルを格納
- S3のイベント通知機能で、SQS_1にメッセージを送信
- SQS_1をトリガーとして、Lambda_1を起動
- Lambda_1がDynamoDB_1から連絡先を取得し、AmazonConnectを起動
- Lambda_1がAmazonConnectを起動すると同時に、SQS_2へメッセージを送信
- AmazonConnectがユーザーへ自動電話通知を実施
- ユーザが正常応答せず、AmazonConnectがLambda_2を起動
- Lambda_2が応答結果をDynamoDB_2に保存(応答NG ※実際にはステータスを変更しない)
- 60秒後にSQS_2をトリガーとしてLambda_3を起動
- Lambda_3がDynamoDB_2の応答結果を確認
- 正常応答していないため、再度AmazonConnectを起動(以降、5から繰り返し)
利用するAWSサービスの説明
Amazon Connect
AWS上でコールセンターの仕組みを導入できるサービスです。電話発信機能を利用します。
EC2
監視ソフトを導入するためのサーバーです。
□IAMロールへアクセス権限追加(S3)
□awscliの導入(マシンイメージでAmazonLinuxを選択している場合は不要)
□監視サーバーの構築
EC2上でのZabbixの構築はこちらを参照してください。
S3
AWS上のストレージサービスです。EC2より自動電話通知を起動するためのトリガーファイルを格納するために利用します。
□トリガーファイル格納用のS3バケットを作成
□イベント通知設定(SQSへ送信)
SQS
AWS上のキューイングサービスです。AWSの各サービスを連結させるために利用します。
SQS_1
S3上にトリガーファイルが作成・更新された場合にメッセージを受け取り、Lambda_1を起動します。
□Lambda_1起動用のSQS作成
□S3からアクセス可能にするためのアクセスポリシー設定
SQS_2
自動電話を発信した際にメッセージを受け取り、電話応答結果を確認するためのLambda_3を起動します。
□Lambda_3起動用のSQS作成
□送信遅延を60秒+αに設定
Lambda
サーバーレスでプログラムを実行できるサービスです。
Lambda_1
SQS_1をトリガーとして、自動電話通知のためのAmazonConnectを起動します。
□IAMロールへアクセス権限追加(AmazonConnect/SQS/DynamoDB)
□コーディング(AmazonConnectを起動)
Lambda_2
AmazonConnectの問い合わせフロー内で起動され、電話応答結果をDynamoDB_2へ保存します。
□IAMロールへアクセス権限追加(DynamoDB)
□コーディング(応答ステータスをDynamoDB_2へ保存する)
Lambda_3
SQS_2をトリガーとして、前回の電話応答結果がNGであれば、再度AmazonConnectを起動します。
□IAMロールへアクセス権限追加(AmazonConnect/SQS/DynamoDB)
□コーディング(応答ステータスを確認し、応答していないければ再度AmazonConnectを起動する)
DynamoDB
AWS上のデータベースサービスです。
DynamoDB_1
連絡先リストを登録します。
□連絡先情報を格納するDBを作成
DynamoDB_2
電話応答の結果を保存します。
□応答ステータス状況を格納するDBを作成
以上で、AmazonConnectによる自動電話通知(7.複数連絡先への電話通知〈概要〉)の説明は完了です!
次回以降で、順を追って構築を行なっていきます。
【前回】AmazonConnectによる自動電話通知(6.ユーザー入力による応答確認)
【次回】AmazonConnectによる自動電話通知(7.複数連絡先への電話通知〈構築①〉)
【簡易版】AmazonConnectによる自動電話通知(まとめ)