DHCPとは
PC等の通信機器がネットワークに接続するためには、IPアドレスやデフォルトゲートウェイ等のネットワーク情報が必要です。全ての機器のネットワーク情報を手動で設定すると、多くの時間が必要となり、設定ミスが発生する可能性もあります。DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)は、このネットワーク情報を自動で割り当てるためのプロトコルです。
DHCPの仕組み
DHCP通信の関連機器
ネットワーク情報を要求する機器を「DHCPクライアント」、ネットワーク情報を提供する機器を「DHCPサーバー」と呼びます。また、DHCP通信を仲介する機器を「DHCPリレーエージェント」と呼びます。
名称 | 役割 | 機器 |
---|---|---|
DHCPクライアント | DHCPによりネットワーク情報を要求する | Windows/Linuxサーバー、ルーター/L3スイッチ等 |
DHCPサーバー | DHCPによりネットワーク情報を提供する | Windows/Mac等のPC、IP電話等 |
DHCPリレーエージェント | DHCP通信を仲介する | ルーター/L3スイッチ等 |
DHCPサーバーの設置方式
DHCPサーバーの設置方式には、大きく分けて下記の3方式があります。
方式1. 同一セグメントにDHCPサーバーの機能を持ったルーター/L3スイッチを設置
DHCPクライアントとDHCPサーバー(ルーター/L3スイッチ等のネットワーク機器)を同一セグメントに設置
方式2. 同一セグメントにサーバーを設置
DHCPクライアントとDHCPサーバー(Windows/Linux等のサーバー)を同一セグメントに設置
方式3. 別セグメントにDHCPサーバーを設置し、ルーター/L3スイッチがDHCP通信を仲介
DHCPクライアントとDHCPサーバーを別セグメントに設置し、DHCPリレーエージェント機能を持ったネットワーク機器が通信を仲介する。
DHCPの通信詳細
DHCPクライアントとDHCPサーバーの間では、下記のやり取りを行います。※実際には、IPアドレスだけではなく、デフォルトゲートウェイやDNSサーバーの情報も提供します。
DHCPサーバーはいませんか?
ネットワーク情報が欲しいです。
DHCPサーバーです。
192.168.1.10が使えますけど、どうですか?
※クライアント/サーバーのOSや機種によっては、ブロードキャストではなく、ユニキャストで送信される場合もあります。
ありがとうございます。
そのIPアドレスを利用したいです。
わかりました。
承認しますので、利用してください。
※クライアント/サーバーのOSや機種によっては、ブロードキャストではなく、ユニキャストで送信される場合もあります。
ネットワークエンジニアにとってのDHCP利用
DHCPは、OA環境を整備する際に必須のプロトコルです。小規模のネットワークであれば、ネットワーク機器をDHCPサーバーとすることも多いため、ネットワークエンジニアにとっても必須のノウハウと言えます。また、WindowsサーバーやLinuxサーバーを用いたDHCPサーバーの構築方法も、覚えておいて損はない技術となります。
以上で、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)の基礎の説明は完了です!